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「これは?」
クレヨンで描かれた絵だった。紅い屋敷の前に、幼い少女が二人と、それを見守るように四人の人物が描かれていた。みんな笑顔だ。少女達は手を繋いでいる。それを見た時、咲夜は不意に泣きそうになってしまった。
「あ~、咲夜! 勝手に人の部屋に入っちゃいけないんだよ?」
背後から突然そんな声がして、咲夜はビクッと体を震わせて、振り返る。
「い、妹様……」
「わっ、その絵はダメ~!」
フランは咲夜が持っているのが自分の書きかけの絵だとわかると、すごい速さでそれを奪取し、背中に隠す。
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