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「こ、これはまだ未完成なの。それで咲夜、何の用事かしら?」
「あ、ええ、おやつをお持ちしました」
「おやつ!? 何かな、何かな!?」
子供のようにハシャぐフランに、咲夜は微笑みながら答える。
「今日はお手製のカップケーキです。お嬢様のお墨付きですよ」
「お姉様の? なら美味しいね!」
「ええ。妹様にも持っていってあげてとお嬢様が」
「ほんとっ!? 嬉しいな~」
無邪気に喜ぶフランに、咲夜は尋ねる。
「妹様。妹様は、お嬢様が好きですか?」
「なんでそんなこと聞くの? 好きに決まってるじゃない」
なんでもない風に言うフランに、咲夜は続ける。
「ですが、お嬢様は妹様を長い間地下に……」
「それでも、だよ」
フランは微笑みながら答えた。
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