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「後でフランにも持っていってあげて」レミリアは残ったケーキを指すと、咲夜に言った。「喜ぶでしょうあの子」
フラン。レミリアの妹であるフランドール・スカーレットの名前が出た途端、咲夜の表情が一変する。
「……」
「咲夜?」黙り込んだ従者にレミリアは小首を傾げる。「どうかしたの?」
お言葉ですが、と咲夜は主に言う。
「お嬢様、たまには直々に妹様に会いに行かれてはいかがでしょう」
「……ダメよ、私は」
「お嬢様、しかし妹様は」
「ダメなの! あなただって知ってるでしょう、咲夜。私があの子にどんな仕打ちをしたかを……」
「お嬢様……」
「行きなさい。早く」
「……はい」
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