後輩。

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<side/Inomoto> 「おはようございまーす」 出番と出番のしばらく時間がある暇な時間。 楽屋でなんとなく雑誌を読んどるところにアシンメトリーなあいつが顔を出した。 「出た、イキリ」 「うわ、ほんまや」 「いきなりそれですか!?まだ何もしてないですし!!」 「存在がイキっとる」 「オーラがイキっとる」 「なんなんこの兄さんら!!」 わぁわぁ言いながらも井上は出て行った。元気元気。 ‥それにしても、井上が来たことで初めて知った。 「今日、NONSTYLE一緒なんや」 「みたいやなぁー」 今更な質問に藤原が適当に答えた。 「あいつら何だかんだ真面目やからなぁ」 「ちゃうで井本。森木とかボンを基準に考えるからそうなるんであって、井上がやっとることは偉いけど当たり前や」 ごもっともやな。 「井上が来たってことはもうすぐ白い方も来るな」 あいつの挨拶はものっそい控えめな挨拶やからな‥。 ドアほとんど開かへんし。 「藤原、石田捕獲しよや」 「んー?ええで、暇やしな」 よいしょ、と立ち上がった藤原はのんびり楽屋を出て行った。 俺は入り口の近くの椅子に座ってその時を待つ。 その2分後ぐらい、楽屋のドアがえらく控えめに叩かれる音がした。 ガチャリと開けたドアの隙間から顔を出した石田が頭を下げる。 「おはようございます、今日はよろ‥」 「はいどーん」 「はい捕獲ー!!」 「うえ!?え、ちょ、なん!?」 石田の後ろから外で待機しとった藤原が押し、勢いで中に入らされた石田の腕を俺が掴んで引っ張り込んだ。 すぐさま携帯で電話をかける。 「井上ー?石田は預かった!!返してほしかったら来い!!」 『はぁ!?ちょ、何が』 一方的に通話を切って、訳も分からんと藤原に片手で押さえ込まれとる石田にケータリングのせんべいを渡した。 「やろ」 「え、あ、ありがとうございます‥」 パリパリと一旦抵抗を止めてせんべいを食う石田。 客はおもてなしせなな。 「え、鍵かかってるし!!ちょ、兄さーん!?」 さすがに10秒とはいかんけどすぐに楽屋の前でガチャガチャとドアを鳴らす井上。 「鍵は何だ藤原」 「鍵はぱっつんの前髪だ」 「僕無理ですって!!」 「あー、もうこの機会にその変な前髪切りそろえたらええやないですか井上サン」 「石田お前!!」
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