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「え?」
楽屋で、相方が髪の毛びっしゃびしゃに塗れたままで床に寝ころんどった。
何してんねやろコイツ。浜に打ち上げられた人みたいやけど。
まぁ冗談はさておき、水道も出しっぱなしやし‥眠気に耐えれんかったんやろか。
「藤原ぁ?」
返事がない。この距離で聞こえへんわけないんやし?そら、イラッとするやろ。
「藤原ァ!!」
少々デカめの声で呼んでみた。やのに藤原が反応する気配もない。これは‥
「‥藤原!?」
揺すっても動かへん。
「藤原っ!!おい、藤原!?」
俺の声を聞いたボンが来て俺以上に慌ててスタッフを呼んでくれるまで、俺は相方の名を呼び続けた。
「ぎっくり腰ぃ?」
「そう」
その夕方、病院に運ばれた藤原は俺が行ったときにはもうけろっとして椅子に座っとった。
あんだけ心配したのに‥ぎっくり腰やと?ただの年やんけ。
だいたい倒れ方が大袈裟やねんこのボケが‥
「死ねっ!!」
「ええ!?」
何やねんぎっくり腰て。
心配する方のことも考えろやボケ。
「来ていきなり死ね?」
藤原は笑っとったけどな。
*end*
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