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<side/Ishida>
「‥‥はっ!?」
起きる。
周りを見回す。
自分んちやない。
「‥‥どこ?」
「何がどこ?やボケ」
声のした方を見ると呆れ顔の相方。
「‥井上?」
「おぉ、正真正銘井上裕介やで」
仁王立ちで俺を見下ろす井上。
炬燵に埋まってそれを見上げる俺。
「‥俺なんでお前んちおんの?」
「覚えてへんの?まぁ相当酔ってたししゃあないか」
どっからや。
昨日飲みに行った。
井上はおらんかった‥はず。
うわ、もう曖昧やん。
「‥俺何かした?」
恐る恐る聞くと井上は呆れたように笑った。
「よかったな。犠牲になったんは缶ビール5本だけや」
記憶飛ぶぐらい呑んだ後にそんだけ呑んだら当たり前やねんけど‥全然頭がしゃっきりせえへん。
カフェインが欲しい。
「あー‥、井上コーヒー入れてぇ」
「アホか自分で入れろ」
えぇー、とか言いながら渋々炬燵を出る。
それなりに綺麗なキッチン。
勝手にインスタントのコーヒーを探し出してお湯を沸かす。
「マジで何で俺お前んちおんの?」
お湯を注ぎながらキッチンから顔を出して聞く。
「急に合い鍵持って押しかけてきといて何を言うか」
「うえぇ?嘘やんマジか」
「スイマセン石田さんに合い鍵取られましたぁ~て酔った後輩から電話なかったら不法侵入やでお前」
「ナイス後輩。ありがとう後輩」
相方に通報されるなんて勘弁やわ、マジで。
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