70人が本棚に入れています
本棚に追加
シャンプーとリンスを買ってホームセンターを出る。
駐車場に入ったとこでふと気がついた。
「あ、アルミテープ」
「あぁ、忘れてた」
一瞬顔を見合わせて、くるりと向きを変えて再びホームセンターへ歩き出す。
「あー、アホやなぁ」
「何しに来てんホンマ」
「シャンプーとリンス買いに来たんやろ」
「そんなもん帰ったら怒られるわ」
「あーあ、結局トリートメントてなんやねーん」
「そっから蒸し返すか」
それでも戻るのがさして苦やないのは、しょうもないことでもだらだら話が続けられる相手が一緒やからなんやろうか。
「井上ー、喉渇いたぁ」
「知らんわ」
まぁ、ずっと喋ってるとお互いの喉にはよろしくないんかもしれんけどな。
「石田、自販機あるで」
「俺アクエリがええ」
「自分で買え!!」
「えぇー」
石田がアクエリを選び、ボタンを押した。
ガタンとペットボトルが落ちてきて、それを取り出す石田の姿を見ながらどっかで聞いた話を思い出す。
「そういや運動すんのにDAKARAはむいてないらしいで」
「え、そうなん?あれスポーツドリンクやろ?」
「ナトリウムが0やねんて。ポカリとかアクエリの方がええらしい」
「へー。あ、そういやさぁ‥」
「あ、ちょっと待って。俺もお茶買うから」
俺も水分を与えてやるから頑張れ喉。
まだまだ、話は尽きそうにない。
*end*
最初のコメントを投稿しよう!