プロローグ

2/5
前へ
/20ページ
次へ
1. 人は死んだら、天国に行けるらしい。 だから死んだらずっと楽な天国で暮らせると思っていた。 迷わず学校の校舎から飛び降りたのは、きっとそれもある。 ああ、これで楽になれる。 机や教科書の落書きも、ズタズタに引き裂かれた体操服や制服とも。 助けてくれなかった先生や親に、わたしをあざけ笑ったクラスメートたちとも。 サヨナラ、だ。 地面に吸い込まれるようにわたしの体は急速に落ちていったのだった。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加