超短編集「バトルロワイヤルですよ!メリーさん」

2/5
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
とある町、とある一角、とあるゴミ収集場所 そこには、黒いモヤが立ちこめていた。 目に見えるほど濃いそのモヤは、意志があるかのようにしばらく漂うと、一カ所へ収束していった。 吸い込まれるように、抱えるほどの大きさがある少女の人形へと。 強い風が吹き、ススキを強く揺らす。その風がゴミの間を吹き抜けるとき、風は複雑にうなり、濁った音を作った。 ユルサナイ・・・ とあるマンションの一室、もう23時も過ぎたというのに電話が鳴り響いた。普通の人間なら日を改めるだろう。 その一室の主は、心遣いの足りない電話の主にいらだちながら受話器をとった。 「もしもし?」 「もしもし?」 「ちょっと、イタズラならやめてください。何時だと、」 「もしもし・・・私メリーさん。今、ゴミ捨て場にいるの・・・今から行くから待って」 ガチャッツーッツーッ 「なんなのよ、もう。時代が古いっつーの!」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!