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「さ~て、テレビ見よ」
飯を食い終わった姉貴は、テレビの前に座りスイッチを入れた。時刻は夜10時。
「夜にやっている面白い番組なんて、ほとんど無いだろ」
「ドラマとかニュース位ならあるでしょ。たまにバラエティーなんかもやってるし…あ、お笑い番組やってる」
姉貴はその番組が気になったのか、パチパチと変えていたチャンネルを止めた。
テレビに移っていたのは、最近ブレイクしてきたお笑い芸人だった。
「あ、この芸人クラスで話題になって…」
この芸人について、俺が喋ろうとした瞬間、
ブチッ!!
「はぁ!?」
いきなり番組が明るいお笑い番組から、シックな美術系番組に変わってしまった。
犯人は姉貴の他ないので、チラッと横目で見ると、姉貴の顔は不機嫌だった。
どうやら気にくわないかったらしい。
しかし、姉貴はその美術系番組も消すと、
「おやすみ」
と言って、自分の部屋に行ってしまった。
「もう見ないのかよ?」
「うん。最近テレビにあまり執着しなくなったみたい」
数秒後、姉貴の部屋から寝息が聞こえてきた。
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