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姉貴が大学で勉強していたらしく、夜遅くに帰って来た。
と言ってもまだ8時だけど。
「おなかすいた~」
第一声がそれか…ま、予想はしてたけど。
「お帰り。これ食べる?」
姉貴が腹を空かせて帰って来るのは分かっていたので、姉貴の為に用意していた焼おにぎりを出した。
「わぁ~焼おにぎりだぁ!」
姉貴は喜んで俺の手から焼おにぎりを取ったが、次の瞬間、不味そうな顔をして言った。
「これ、冷凍食品でしょ?あたし、冷凍食品は嫌いって言ったじゃん」
「これは美味いよ。俺食べたし。騙されたと思って食べてみろよ」
「うん…」
姉貴は焼おにぎりを口に運んだ。
「ん…ぅんま!何これ!?美味しいんだけど!」
「だろ?」
「うん!ありがと、光流」
そんな率直に言われると、照れるな…。
「あのさ、俺が思うに、姉貴は冷凍食品が嫌いなんじゃなくて、電子レンジで作るやつが駄目なんじゃ…」
「光流~、いいから早くご飯作ってよ~。お腹空いたってば~」
くそう…一瞬でも照れた俺が馬鹿だった。
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