序章

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~并州上党~ 朝日が廊下を照らす程の爽やかな朝。 俺、陳宮公台は朝食をとった後自室に向かって歩を進めていた。 その際、中庭を通るのだが木陰で昼寝――というよりこの時間帯だと二度寝か――をしている幼なじみを見つける。 「奉先、飯食った後に寝ると太るぞ?」 幼なじみの名は呂布奉先。腰まである長い銀髪と右目の眼帯が特徴の女の子。 「ん……まだ眠い」 左目を擦りながら一度身を起こしたがまた倒れこむ。 「奉先!仕事もあるだろ?」 「ん~、公台がやっといて」 するとすぐに寝息を立てて眠りにつく。 「……わかったよ、仕事を片付けたら鍛練に付き合うよ」 「じゃあ、頑張る」 即座に身を起こして早足で自室に向かう奉先。 ――また痣が増えるな 俺も元は武官だったが奉先にはかなわない。あいつの強さは一騎当千に相応しいからな。
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