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遅かった
少女はすでに飛んでいた
高く、高く
いち、に、さん
少女はこの力に気付いてから思った事がある
もしも、もしも誰かに見つかったらどうしよう
証拠隠滅にも派手にやればまたその処理が大変だ
少女は見つかりたくない反面、見つかりたいという思いもあった
飽きたのだ
いつまでもこんな生温い暇つぶしをしているつもりはない
早く新しい暇潰しを見付けたい
シュタッと両手両足を使い音もなく道に着地。猫のようだなと少女は思う
あ。
目が合った
“目が合った”
全身に駆け巡る悪寒、寒気、電気
見付かってしまった
見付かってしまった
いくら時間が時間でも人っ子一人この町で見ないという事は有り得ない
どんな理由であれ目の前のように飲みの帰りだろう中年男性がいないだろうと絶対とは言えないのだ
酒臭い…
身体能力が上がり嗅覚もそれに比例している少女にしたら1mも5mもあまり変わりない
そんなことより
あぁ…ヤバいかも
いくら酔っ払いだと言っても目の前で音もなく上空から四つん這いで現れたら言い訳なんて出来ない。いや、酔っ払いだから誤魔化せるかな…
いや、違う
あーホントヤバい
少女は思う
ぞくぞくする
寒気が
電流が
全身を駆け巡る
目と口がゆっくりとつり上がる
本当に前世は猫だったのかもしれない
そんな風に思った時には男性の首に手をかけていた
ゴキッと
あークセになりそう
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