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――――…
―――…
翌日の放課後。
いつものように初海と遊びに行こうと校門を出ると、電柱にベッタリくっついてる女がいた。
「…何やってんだ、あの女」
眉根を寄せて変な女を見てると、初海が「あ」と声を漏らした。
「あ?知り合いか?」
「知り合いっていうか……先輩の妹さん」
「ふぅん」
俺には関係ねぇな、と思いその女を通り過ぎようとした刹那。
「あのっ…!」
運悪く、その変な女に話し掛けられた。
俺に話し掛けているのか初海に話し掛けているのかわからないから、とりあえず振り向いておく。
上から下まで見下ろす俺に、居心地悪そうに体を強張らせている。
セーラー服に身を包み、2つに縛られた黒髪。
色白でつり目で、身長は………椎蘭と同じくらいだ。
――ああ、ダメだな。
なんでも椎蘭と結び付けちまう…。
はぁ…と心の中でため息を吐いていると、セーラー服の女は顔を真っ赤にして叫んだ。
「好きです、黒田臨吾さん!」
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