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「―――…は?」
「えっと……突然すみません!あの…っ…好きなんです」
いや。さっき聞いたし、それ。
「臨吾。この子、陽平先輩の妹だよ」
陽平先輩…?
陽平先輩は、よく問題起こしてたウチの高校の卒業生だ。
結構可愛がってもらっていて、家にも行ったことがある。
だが、妹であるこの女に見覚えがない。
「乃依ちゃんだよね?」
初海がニコニコしながら女に話し掛けると、おどおどしながら女は会釈をしている。
「あの…初海、くん?」
「そうだよー。久しぶりだねぇ~。すっかり可愛くなっちゃって」
「そんな、私なんか全然可愛くないです」
赤面症なんだろうか?
すぐ顔を真っ赤にしている。
「で、どうして俺じゃなくてこんな無愛想の臨吾が好きなの?」
なぜそれを聞く?
「あ……何回か家に遊びに来たことありますよね?直接話したり会ったことはなかったんですけど、笑顔が……」
「笑顔?え。臨吾って笑うっけ?」
首を傾げる初海の尻を思い切り膝蹴りする。
「いでっ…!」
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