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「…どうして?」
「は?」
「どうして中学生じゃダメなの?」
何なんだよ、コイツ…。
「俺、年下には手ぇ出さないの。ガキだし、めんどくさい」
少しキツめに言ってやった。
じゃないと、諦めてくれなさそうだから。
「私のこと、何も知らないのに勝手に決め付けないでください。中学生って一括りしないで、ちゃんと個人を見てほしいんです」
コイツの真っ直ぐな目と気持ちは、どことなく椎蘭に似ている。
だから、少しだけ揺らぐんだ。
「……俺には、まだ好きな奴がいるから」
「…っ…わかってます。元カノの人ですよね…?私は黒田さんの元カノみたいに可愛くないし、年下だしバカだし何の取り柄もないけど…」
おいおい…
何、自虐的なこと言ってんだよ…。
「それでも、黒田さんが大好きなんですっ…。顔だけじゃなくて、ちゃんと中身も知りたい…。もっと近づきたいっ…!」
なんでそんなに俺にこだわる?
俺なんか最低なんだ。
お前みたいにまだ純粋な奴は、もっと相応しい男がいるだろ。
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