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暫く相川乃依の行動を見ていると、コンビニ近くの電柱に額を付けてしゃがんでいる。
…何してんだ、アイツ。
周りから見れば、ただのアホ。
具合が悪いのか?
少し心配になり声をかけようとした瞬間、消え入りそうな震えた声で呟いた言葉が耳に届いた。
「……っ元カノのあの人に適うはずない…。どうしよ…黒田さんに…迷惑かけちゃったぁ…っ」
俺の体がガチッと固まる。
なんだよ、平気なフリしといて傷ついてんのかよ。
つーか何しようとしたんだ、俺は。
中途半端に優しくすれば、コイツを余計に傷つける。
だからって放っておくのか?
「…っ…」
悩んだ挙げ句、無言で相川乃依の腕を掴み立ち上がらせる。
「…っ…え?」
「何やってんだよ、中学生が。危ねぇだろ」
「く、ろだ…さん…?」
あー、やべぇ…。
涙目で上目遣いするなよな…。
男はそれに弱ぇんだから。
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