幼なじみ。

5/6
前へ
/96ページ
次へ
今までの俺の気持ちは、伝えずして崩れていくのか。 「…頑張れよ」 そう言うしかなかった。 笑顔で、本当に恋する顔で言われたら、好きだなんて言えない。 だから、もういい。 数年間の片想いを諦めかけた俺に告白してきたのがユズ。 「大和、好き。私が幸せにしてあげるから、付き合って!」 涙目で気持ちをぶつけてくるユズに、初めは戸惑っていたが、だんだん惹かれていっていた。 椎蘭に未練は、少なからずあった。 けど、ユズなら俺を幸せにしてくれる。 そう思ってユズと付き合った。 今まで軽い気持ちで付き合った女とは全然違う。 居心地よくて、自然と笑顔になる。 俺の求めていたものを、ユズは与えてくれた。 だから、椎蘭を諦められたんだ。 椎蘭に軽いノリで好きだった、と気持ちを伝えると、案の定、椎蘭は驚いた顔。 先生を好きな俺の幼なじみ。 ずっと好きだった俺の幼なじみ。 今までも、これからも、椎蘭はずっと… ――永遠に友達で、幼なじみ。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

373人が本棚に入れています
本棚に追加