恋に、落ちたの。

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恋したい、とは簡単に言えるけど、恋をすることは案外難しい。 私は学校に着くなり裏庭へ向かう。 HRまではまだまだ時間があるから大丈夫だよね。 裏庭には大きな桜の木がひとつ、ドーンッと立っている。 その桜の木の下に座り、木に寄り掛かるようにして目を閉じる。 「…落ち着く」 ため息混じりにそう呟くと、パキッと木の枝を踏んで折れたような音がして目を開く。 目を開いた先には茶髪で耳には何個かピアスを付けて制服を着崩している男の子。 誰? うちの学校の人じゃないよね? 制服違うし… 「あの…どちら様ですか?ここの生徒じゃないですよね?」 「……あ、俺…城神高校の先崎初海」 彼は顔を赤くして、なんだかボンヤリした顔で私を見つめている。 「…私はこの高校の1年の瀬戸椎蘭です」 座ったまま軽く会釈をしながら彼を上から下まで見つめる。 チャラチャラしてるなぁ…。 「で、なんで他校の裏庭にあなたみたいな他校生がいるんですか?」 「ああ、今日の朝早起きしちゃってー。遠回りで学校行こうとしたら迷って、近くにこの高校あったから誰かに助けてもらおうかなぁ?と思って」
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