俺と私とあの子。

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*side.黒田臨吾 「見ろよ、校門の前にいるセーラー服の子。誰待ち?」 クラスの男子が2人ほど、窓の外を指差して俺に問い掛ける。 「知らねぇよ」 「見てもいねぇのに知らねぇとか言うな!…まぁ、また初海関係の女か、臨吾目当ての女なんじゃねぇか?」 「えー、でも高校生には見えねぇよ?」 どうせ初海が浮気したから問い詰めに来た女だろ。 そう思って窓から校門を見下ろすと、セーラー服に黒髪の2つ縛り、リュックを背負った女。 「…はっ?乃依!?」 なんでアイツ、ここに来てんだ? 「なんだ、臨吾の妹?」 「ちげぇよ。俺の女」 驚いて叫ぶ2人を無視して、校門へ走る。 途中、廊下で女とイチャイチャしてる初海に「帰るわ」と声をかけると、初海が俺に手を振って言った。 「乃依ちゃんによろしくなぁ~」 その横で、ケバい女が「乃依ちゃんって誰よ!」と怒っている。 女ってめんどくせぇ。
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