俺と私とあの子。

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校門まで行くと、乃依が男子に絡まれていた。 「誰待ってんの~?中学生だよね?」 「あのっ……黒田さんは…」 「え、黒田?臨吾のこと?」 「は、はい…」 乃依に話し掛けている男子は、俺のクラスの遊び人、ユウだ。 人の彼女だろうが、気に入った女には手を出す男。 「ユウ。そいつ、俺の女だから返して」 「えー、臨吾って中学生にまで手出してんの?」 お前には言われたくねぇよ。 「そいつは遊びじゃなくて本気」 「おー、珍しい」 「だから手出すなよ」 「はいはい。臨吾の女には手出せねぇな。臨吾に嫌われたくないし」 ユウは手をヒラヒラと振って帰っていった。 小さく溜め息を吐いてから乃依を見下ろす。 「なんで来た?」 つい強い口調になってしまう。 「あ……最近、会えてなかったから……迷惑、でしたか?」 あ、やべ…。 俯きがちに震える小さい声で呟いた乃依に、言い方がキツ過ぎたと反省する。 「…悪い。そうゆうことじゃなくて……俺の学校、チャラい奴多いから…心配っつーか」 「えっ?」
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