俺と私とあの子。

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「なっ、何勝手に人の胸のサイズ教えてるんですか!てゆうか、なんでサイズ知って……」 「そんなの、見ればサイズなんてわかるだろ」 「変ですよ、それ!」 これも才能の一つだろ? 「それより、どこ行く?俺ン家行くか?もう歩くのめんどくせぇし」 さり気なく肩に手を回して乃依の頬をつねる。 「いえ、黒田さんに会えたのでもう帰ります。黒田さん、疲れてるでしょ?」 ニコッと笑う乃依に、俺は更に頬を引っ張る力を強める。 「いひゃひゃ!何ひゅるんれすか!」 何を言ってるのかわからないので、とりあえず頬から手を離す。 「俺はしばらく乃依に会ってなかったから色々溜まってんのに、お前は俺を置いて帰るつもりか?」 「はぁ…?何が溜まってるんですか?」 俺がつねって赤くなった頬を擦りながら怪訝な顔で俺を見上げる。 「性欲」 「………」 「ヤらせろ、乃依」 「変態!」 だれが変態だ。 男なら当然だろ。 「乃依、初めて?それとも経験済み?」 「…っ…初めてですよ。まだ中学生ですもん」 口を尖らせて俺から目を逸らす乃依の顔を覗き込むと、ほんのり頬が赤くなってる。 これはさっき俺が頬をつねったから赤くなってるのか、乃依が照れてるのか。 多分、後者。 いや、絶対に後者だな。
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