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「でも、どうやったら痛くなくなるんですか?」
「俺のテクニックで」
即答する俺に、乃依は口を開けたまま固まっている。
「テ、テクニック…」
だんだんと乃依の顔が真っ赤になっていく。
すごくからかいたくなって、乃依の耳元に唇を近付け、吐息混じりに囁いた。
「なんなら、今から試してみるか…?俺のテクニック」
「ん、やっ……」
…っ!?
なんだ、今の声…。
やべぇ…理性保てねぇ…。
「黒田…さん…っ」
「っ……冗談だ。だからそんな顔すんな」
まぢで危ない、コイツ。
「…冗談、ですか」
乃依は心底安心したように胸を撫で下ろしている。
何、安心してんだよ。
こっちはいつ理性切れるかわかんねぇ状況なのに。
てゆうか、絶対いつか乃依のこと襲うな、俺。
「……あの、黒田さん」
「ん?」
乃依は躊躇いがちに俺の指に自分の指を絡ませる。
「こうやって、繋いでてもいいですか…?」
あー、もう。
こうゆうとこがヤバいんだって。
「どうぞ、ご自由に」
こんな風に余裕を装っていられるのも今の内だけだな。
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