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「っ、何やってんだよ!バカ!」
聞き慣れた声に振り向くと、息を切らせた黒田さんが私を睨んでいた。
あれ?
私、轢かれたんじゃないの?
体に痛みはなく、熱いくらいの黒田さんの体に抱き締められている。
ああ、……助けてくれたんだ。
目頭に熱いものが溜まり、頬を伝って流れる。
安心したら、急に怖くなったんだ…。
「ご、めん…なさ…いっ」
「本気でっ……死ぬかと思った。心臓…止まるかと思った」
黒田さんは微かに震えていた。
それだけ心配をかけてしまったんだ…。
「ふぅ…っ黒田さん…!っぅ…ごめんなさい…」
追いかけてくれた。
抱き締めてくれた。
なんでこんなに満たされるんだろう。
愛しい。
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