俺と私とあの子。

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「ヤキモチ……妬いちゃったから…。黒田さんの元カノに…」 「は?なんで今さら……」 「だって!…元カノともあの部屋でシたのかと思ったら…」 抱き締められたまま俯くと、黒田さんは溜め息を吐いて私の顎を持ち上げた。 「っ…」 「言っただろ?本気で好きな女抱くのは乃依が初めてだって。椎蘭とはシてない」 「…え、シてないの?」 嘘…… じゃあ、全部私の勘違い…? 「お前……ほんと可愛いな。ヤキモチ妬いたとか、嬉しすぎんだけど…」 頬を微かに赤く染めて、私を更にキツく抱き締める黒田さんに愛しさが込み上げる。 「ヤキモチなんて、いつでも妬いてますよ。黒田さんモテるし」 「何言ってんだ。俺はお前しか見てねぇよ」 「ふふっ、ありがとうございます。でも、初海くんにでさえ妬いちゃうの…。重いでしょ」 「乃依にだったら束縛されても苦じゃねぇ」 「私は束縛なんてしませんよ?されるのも嫌です。黒田さんはしないですよね?」 「さぁな?」 こうやってちゃんと初めから向き合ってればよかった。 何を不安になってたんだろ…。 こんなにも想われてるのに。
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