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数週間後。
「あれー?臨吾と乃依ちゃんってば、仲良く手繋いで登校?」
朝、黒田さんと登校している途中、初海くんに出くわした。
黒田さんはまるで見せつけるかのように恋人繋ぎされた手を持ち上げる。
「まぁな。乃依のこと中学まで送ってくから、HR出れねぇわ」
「いつも出てねぇだろ、臨吾は」
「じゃーな」
「あ、ちょっと待って!」
歩き出そうとした私たちを止めたのは初海くん。
「んだよ」
黒田さんは面倒くさそうな顔で振り返るから、私もつられて振り返る。
「なんかさ、乃依ちゃん…急に色気増したよね。……あ。もしかして……ついに臨吾とヤっちゃった!?」
「ヤっ……!?」
「どうりで一緒に登校してるわけだ!朝帰りなんてやるねー」
図星なだけに何も言い返せない。
「臨吾も今日はご機嫌だし、乃依ちゃんは腰痛そうに擦ってたし…」
恐るべし初海くんの観察力。
「相当昨夜は激しかったんだねー!臨吾ちゃんのえっちー!」
「……初海。学校行ったら覚悟しとけよ。生死の間をさ迷う程度で殴ってやるから」
「うわーっ、ごめんなさい!!」
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