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明日、2月14日は恋する女の子にとっては勝負とも言えるくらい大切なはず。
私もその恋する女の子の一人。
一年ほどの片想いに終わりを告げ、大好きな水城先生と付き合えた私。
今年は去年まで適当に買ったチョコを周りに配るのとはワケが違う。
しっかり手作りで、愛を込めて先生にプレゼントしなきゃ!
「椎蘭は今年も買ったチョコ配るの?」
バレンタインも明日に迫った13日の昼休み。
ユズちゃんとグミちゃん、それに私と言ういつものメンバーでお昼ごはんを食べていると、イベント事に敏感なユズちゃんが話を切り出した。
「よくぞ聞いてくれました!今年の私は手作りチョコなの!」
「椎蘭にしては珍しいな。中学の時から市販のだったのに」
唐揚げを口に運びながら意外そうな顔をするグミちゃん。
「今年は違うの!ねぇ、二人とも彼氏にあげるでしょ?今日一緒に作ろうよ」
「いいよー。最初から誘うつもりだったし、手間が省けたよ」
チョコ作りの本を手にはしゃぐユズちゃんに対し、グミちゃんは微妙な顔。
「初海には……別に渡さなくてもいいだろうか」
「えっ!?彼氏なんだから、普通は渡すものなんじゃ……」
「作るのが面倒だ」
そんな一言で片付けるなんて…。
「と、とにかく!三人で作ろうね!」
そして私たちのチョコ作りは始まった。
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