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次の日。
慌ただしい足音で目が覚める。
「椎蘭!家族全員寝坊したんだ!すぐに出ないと遅刻する!」
ネクタイを器用に結びながら私に叫ぶ泰ちゃんに、私は思考が一瞬止まり、パッと目が覚める。
「遅刻!?」
ベッドから飛び起き、服を脱ぎ捨てて制服に着替える。
「なんで今日に限って遅刻なのっ!?」
家族全員が走り回って準備しているため、廊下でぶつかったり、お互いに押し退けあったりしている。
「パパ、邪魔!洗面所、占領しないでよ!てか、普通はレディーファースト!」
「いや、しかし……パパは髭を…」
「髭剃らなくてもかっこいいんだから、いいでしょ」
本音でそう言えば、パパ嬉しそうに微笑んで剃刀を置いてリビングへ。
なんかよくわかんないけど、邪魔者は一人減った。
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