373人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
次の日から、初海が他の女と肩を組んで歩いている姿を、よく目にするようになった。
私は何も言わない。
友達には何度も心配の言葉をかけられる。
だから私は決まってこう言うの。
―――初海から始めたなら、初海が終わらせてほしい。
そんなの思ってもいないくせに。
ただ、自分から終わりを告げるのが怖かっただけ。
だけど、初海から終わりの言葉なんて全然言ってこなくて、もう限界だった私は自ら別れを告げた。
「もう初海とは一緒にいられない。嫌いじゃないけど好きじゃないから…。だから別れよ」
私はキッパリ関係を切りたかった。
それを許してくれなかったのは初海。
「せっかく出会えたのにこれで終わりはヤダ。別れても友達いような」
なんて男なんだろう。
別れた女、みんなに言ってるんだろうな。
最初のコメントを投稿しよう!