過去と古傷と穏やかな癒し

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「太陽」 「ん?」 オレは見兼ねて太陽に声をかける。 流石に自分が今どんだけ五月蝿い音だしてるか、気付いてくれよ。 頼むから。 「もうちょっと静かに飲めねーのか?」 「えー?ストローで静かに飲むってむずいぜー?特に最後の方」 むずかねぇよ。 グラスに入ってるジュースとかならわかるけど、お前の飲んでるのは紙パックじゃねーか。 なんでそこまででかい音が鳴るんだ。 小さかったら文句なんて言わねぇし。(たぶん) 「まぁいいや。おまえ、今ので飯全部終わったろ?」 「あぁ。翼早くねぇか?ジュース3本も買ってたのに」 「お前が遅いんだよ。ほら太陽、早くバッシュ履け。オレシュート練してっから」 なんでバスケ以外のこととなると、こんなに太陽はのろくなるんだろうか。 コートの中ではあんなにきびきびと動いてんのに。 しかも、太陽のポジションはSF(スモールフォワード)。 簡単に言えば、点取り屋だ。 のろくちゃ速攻なんてできないし、点取るのも難しい。 でも、中学の時の試合を見た限り、試合の中では太陽は動きが鋭く、速い。 今の太陽が信じられなくなるほどに。
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