過去と古傷と穏やかな癒し

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オレは一本一本確実にゴールにボールを入れていく。 目標はボールをリングにもボードにも当てないでシュートを決め続けることだ。 「っし。翼、バッシュ履き終わったぜー」 「おし。じゃあ始めっか。勝負だろ?どんなの?」 「いろいろやろーぜ、この際授業サボってさ!」 何を言ってるんだこのバカは。 オレはもとからそのつもりだっての。 でもなぁ。 オレはいいけど、太陽平気なのか?テストの点悪いくせに授業なんかサボって。 ………………。 オレは面倒だし考えないことにした。 所詮、他人事だしな。うん。 「おっし。まずはじゃあフリースローな。いいか?」 オレは提案をして太陽に聞いた。 結果なんてわかってはいるけど、一応確認のためだ。 「もち、いーぜ」 やっぱりな。 勝負絡みで太陽が文句なんて言うとは思えないしな。 「どっちから?」 「じゃーんけーん」 うわ。 なんかいきなりじゃんけん始まった。 せめてなんか言ってから始めてはくれないのか……? 「ぽんっ」 オレは慌てながらも手を出す。 オレがチョキ 太陽はグー 見たまんま太陽の勝ちだ。 ってことで、初っぱなは太陽だ。
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