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オレと太陽は勝負を止め、ゴール付近の壁にもたれ掛かって座り込んだ。
「で」
「うん」
「何から、知りたい?全部とかなしな」
オレが付け足しを加えると、太陽は図星をつかれたように肩を上下させた。
……どうやら、当たってたみたいだな。
バカだな。
太陽は必死に考えていた。首を右に傾げ、そして次は左に傾げる。
そして眉毛は八の字になっていて、眉間にシワがよっていた。
「あっ!」
太陽が考えている間、オレはものすごく暇だった。
足をパタパタさせたり、ハンドリングしていると、太陽が思い出したかのように、声をあげた。
「なんだよ、太陽(ばか)」
「おい。太陽って書いてバカって読むな、バカヤロウ」
「で?なに」
「そうそう。さっき言ってたじゃん?校長が俺に話してくれた話の続き話してくれるって!」
「あー。そういやぁ、言ったなぁ…………。わかったよ、話してやるよ」
こうして。
オレは、高校で初めて出来た友達に、トラウマとも言える過去を話すことになった。
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