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それからもオレは、一切バスケに関わろうとはしなかった。
したくなかった。
でも、ある時。
オレのバスケ拒絶を、無理矢理にでも治した奴が現れたんだ。
――――――
――――
――
それはオレがアメリカに行って二ヶ月がたった頃だった。
学校に一人の転校生が来たことから、オレの拒絶は徐々に薄れていくことになるんだ。
「日本から家庭の事情で転校してきました。佐々木大河(ササキ タイガ)です。よろしくお願いします」
そいつは転校初日にも関わらず、友達をたくさん作り、英語もスラスラとしゃべっていた。
客観的に見た感想は、優等生面した裏表のありそうなやつだった。
授業の合間や放課後は、佐々木の周りには沢山の人が集まっていた。
「ツバサー、俺たちバスケやるけど、また見に来るかー?」
「おぅ、行くー!」
オレたちはまたいつものバスケコートに行こうとしたとき、“アイツ”が話しかけてきたんだ。
そう、佐々木大河だ。
「ねぇ、バスケやるなら僕も混ぜてくれない?バスケやってるんだ!」
オレは弱冠嫌だったりもしたが、別に断る理由があるわけでもないから、普通に承諾した。
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