過去の栄光は優しい思い出

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翼を追い出したのは9時くらいのことだった。 というのも、金曜日に天ちゃんに言った時に、いつでも来ていいと言ってしまったから。 いつ来るかもわからないのに、翼に家にいられたら困る。 ……翼はきっと、太陽君の家か部活メンバーの家にでも厄介になっているんだろう。たぶん。 私が一人で納得していると、家のインターホンが鳴った。 「ん?はーい」 扉を開けたそこには、見馴れた顔の女の子が。 もちろん天ちゃんだけど。 「あ、佐弥夏さん。おはようございます」 「おはよー。上がっていいよ」 「お邪魔します」 天ちゃんは私に挨拶すると、何かのお手本のように礼儀よく家に上がっていった。 ………………お腹すいたなぁ。 朝ご飯でも食べようかな? 「天ちゃん。朝ご飯食べた?」 「えっと、食べてないです。早く佐弥夏さんから話が聞きたくてご飯食べずに来ちゃいました」 あった。 麻恵ににているところ。 ありえないくらいマイペースで動いてる。
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