35人が本棚に入れています
本棚に追加
/106ページ
「うん。詳しく話してあげるから、もう驚いたりしないでね?」
「はい!……頑張ります」
なんか今、小さく「頑張ります」って聞こえた。どんだけ自信ないの?
「よし、じゃあちょっと話そうか」
━━━━━━━━━━━━━━━
この時は、私の名字はまだ“秋津”じゃなかった。
そう、私の名字は“甲斐砂”だった。
今から約19年前。
甲斐砂佐弥夏、当時6歳(数えで7歳)。
私の1年生の時のクラスは1組。
そして、麻恵のクラスは隣の2組だった。
私は入学する前からバスケ部に入りたいと決めていたから、迷いもせずにバスケ部の顧問の先生に、入部届を出しに行った。
その時に偶然だけど会ってしまったんだ。
小鳥遊麻恵に。
最初のコメントを投稿しよう!