過去の栄光は優しい思い出

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「先生!入部届をお願いします」 「なんだ。甲斐砂もか」 先生の話を聞く限り、そこにいた女生徒はバスケ部の子らしかった。だけど、仲良くする気なんて、これっぽっちも無かった。 「今日から練習混ざってもいいですか」 「あぁ、いいけど親御さんは?」 「学校に来る前に言っておきました」 「そうか」 何か言いたげな視線を私に向けてくる女。何か言いたいなら言えばいい。 だけど友だちとか、馴れ合ったりなんか絶対しないけどな! 私は女生徒を放っておいて、教室に行ってランドセルを背負い、体育館に向かった。 体育館に向かったら凄かった。2年生から6年生までの私の先輩が、一斉に練習してるんだもの。 「あ、あの……」 ちょっとだけ、そんな体育館に入るのはイヤだと思ったりもしたけど、入って部長に声をかけなきゃ大好きなバスケは出来ないから、勇気を振り絞って声を出した。 「はい。あ、もしかして、新入部員?!」 「はい。甲斐砂佐弥夏です。よろしくお願いします」 部長っぽい人が話しかけてくれて、私はバスケ部に入部したんだ。
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