過去の栄光は優しい思い出

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練習自体気にくわなかったのを覚えてる。 折角、いい指導者がいい練習メニューを考えてきてくれてるのに、あのババァどもは、真剣に練習してなかったんだ。 これから大量に汗をかくバスケをやるというのに、あり得ないくらいマスカラをつけ、ファンデーションやチーク、アイメイク等を施していく。 そのメイクが、練習が終わったあとで落ちているなら、ババァどもがちゃんと練習しているとわかる。 なのに。 メイクは落ちるどころか、崩れてさえいなかった。 正直、私の性格はあり得ないくらい凶暴で、口も悪かったから、あの時、 死ねばいいのに と何度も思った。 殺してやりたい とも思った辺りで、私は自分が病んでることに気づいた。 そんな私は、病みを治すために大好きなバスケに入れ込んだ。 邪魔くさいババァたちなんて眼中に入れず、直々に監督に個人メニューを作ってもらって勝手に練習した。 もちろん反感も勝った。 返り討ちにしてやったけどな。 そんな、人生で一番荒れていたときに、麻恵に声をかけられた。 「あんた、なにやってんの?先輩に立ち向かわないで逃げてばっかり。あんたらしくないわ」 麻恵の言葉は、私の心にグサッときた。 たしかに、私は何をやっていたのだろうか。ババァどもに当てられないストレスを、バスケに当てていたんだ。 ………………超最悪。
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