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それから少し経って、鬱病も治って、私も学校に行けるまでに回復した。
私が学校に行くときも、やっぱり麻恵は私の家にやって来た。
ピンポーン
「おはよーございまーす」
麻恵はだいぶ馴れてきて、この頃はインターホンを押してから勝手に玄関に上がってくるのだ。
勝手に上がってくるならなんでインターホンを押すのだろうか。
もう疑問でしかない。
「あら麻恵ちゃん。いらっしゃい」
「おばさん、おはようございます。……今日も佐弥夏はダメですか?」
「あ、それがね」
お母さんが私のことを言いかけたとき、私は勇気を振り絞って制服で麻恵の前に出た。
「お、おはよ……。麻恵」
私が出ていっておはようと言うと、麻恵はかなり驚いたのだろうか、目を見開いて言葉も発してくれなかった。
だけど、数秒経つと、我に帰ったらしく私に言った。
「もう、平気……?」
問いかけに頷く私。
「学校、行ける?」
またまた頷く私。
「佐弥夏、おはよ……!」
気持ちをこめて挨拶をしてくれた麻恵が嬉しくて、私はその場で泣いてしまっていた。
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