過去の栄光は優しい思い出

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そのあと私たちは普通に学校に行って、授業を受けた。担任にも驚かれたけど、教科ごとの先生にも驚かれたのはびっくりした。 そして、私の最大の関門の時がやって来た。 終了を告げる鐘が学校内に鳴り響いて、それが鳴ったと同時に私は体育館へと足を運んだ。 話をつけるためだ。 だってもう少しでインターハイ予選。こんな仲も悪くて連繋も繋げないようなチームで出ても、私は嬉しくない。 だから、今度は逃げないでちゃんと話すって決めた。 私と麻恵が体育館に来て、用意を完璧に済ませてから5分くらいが経ったとき。 ようやく来たんだ。 私が病気になる前にババァと呼んでいた、先輩が。 彼女たちは私をちらと見ると、顔を真っ青にしてお互いで顔を見合せた。 どうやら何かが原因で焦っているみたいだったけど、私には関係なかった。 「あの」 彼女たちの表情なんかいっさい気にせずに、私は話しかけに行った。 「な、なに?」 キョドってるし。 目はあさっての方を見ていて、私を見る気配がまるでない。関係ないんだけど。 「お願いがあります。このバスケ部をやめてください」 私は遠回しに言おうともせず、直球で言った。 ……怒ってたな、先輩たち。
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