35人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁ!?あたしたちが気に入らないなら、アンタが止めればいいでしょ?!」
「そういう問題じゃないです。私はバスケが大好きなんです。このチームで全国を目指したい」
「は。熱血とか暑苦しいんだけど」
キレそうになった、というより、バスケをバカにされた気がして、憎く感じた。
でも口には出さなかった。言ったことは本当で、私はバスケが大好きだから。部停にでもなったら堪らないし。
「暑苦しくていいです。でも、その気が無いのなら辞めて下さい。お願いします」
バスケのためなら、私のプライドなんて塵ほどにも思えた。
だから、大嫌いな先輩に深く頭を下げて頼んだ。
「な、何よ。辞めればいいんでしょ?!」
私が頭を下げたことに余程驚いたのか、先輩はちょっと投げやりだったが「辞める」と言ってくれた。
先輩には悪いとは思ったけれど、正直嬉しかった。
自分の気持ちが、先輩たちに届いたような感じがしたから。
最初のコメントを投稿しよう！