過去の栄光は優しい思い出

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次の日、先輩たちは全員顧問の先生に退部届を提出したらしい。 嬉しかったけど、先輩たちが辞めたことで、とても大変な事態が発生した。 部員が足らないのだ。 何故気付かなかったのだろうかと、家にいても学校にいても自分を責めまくった。 1年生でバスケ部に入部したのは2人だけ。 私と、麻恵だけだったんだ。 先輩たちが辞めた今、全国を目指すのは簡単だと思っていた。 だが、部員が最低でも5人いなくては、試合には出れない。 だってバスケは5人対5人で行う競技だから。 「どーするー?今の1年はもう期待出来ないよ?佐弥夏」 「んー……」 悩んだ。 腕を組んで首を傾げて床に座って胡座をかいて、部活中も悩んだ。 「うん。新入生が入ってくるまで待つ」 「……マジか」 マジかと言われても、それしか思い付かなかった。 だって、1年はもう期待出来ないって言ったのは麻恵の方じゃないか。
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