絶望の瞬間と新しい可能性

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2試合目の相手には、誰1人気を緩ませることなくぶつかった。 序盤から飛ばしていき、その中で新しい戦法にも試した。 結果は圧勝。 油断なんてするから負ける可能性が高まる。だけど、どんな相手にも油断することなく闘えば、負ける可能性は極めて低くなる。 それをしっかりと理解し、私は母さんの元へと向かうことにした。 「架織さん、ちょっといいですか?」 「ん?なに?」 「私お母さんのところに行ってくるので、もし先生が来たら言っておいてくれますか?」 「いいよいいよー言ってあげるから早く行っておいで。お母さん待ってるよ?」 「はい!」 母さんの元にいる途中で、先生が来たらすごい困るから、近くにいた先輩に頼んだ。 私が母さんのところに走っていくと、母さんは私の頭を優しく撫でてくれた。 「大活躍だったね、天」 「うん!頑張って考えたの」 母さんが笑ってくれた。私が頑張れば、母さんは優しく笑ってくれる。 母さんはいつも笑ってはいるけど、時々悲しい顔をするから。 母さんにはいつも、笑っていてほしい。
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