絶望の瞬間と新しい可能性

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「どうだった?!」 「まーまー」 「アンタに聞いてない」 母さんに聞いたのになんで太陽が答えるかな。 「そうだねー。天はあまり司令塔には向かないかな。私とポジション同じっぽいし」 「お母さんのポジション?」 小さかった私は、母さんのポジションなんてわからなかった。 だけど、今ならわかる。 母さんは私や太陽と同じSF。点取り屋だ。 「年が経つにつれてわかってくるよ」 そう言うと、母さんはまた私の頭を優しく撫でた。 今度のはご褒美のじゃない。 私をなだめるためのもの。 「太陽はなにやってんの?」 その時初めて気付いた。 母さんと私が話している最中、太陽はずっと側にあったバスケットボールを持ってドリブルをついていた。
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