絶望の瞬間と新しい可能性

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練習が始まり、みんな私語は話さず、声だしのみの声を出していた。 そしてついに、一対一。 相手は決まってた。 美桜さんだ。 美桜さんは私よりも遥かに上手い。だから、ただ単に小細工を施しただけじゃ、勝ち目はない。 「どうやったら、勝てる――?」 一人言だから、誰にも聞こえないような小さな声で呟いた。 誰かに答えを聞いてしまったら、それはもう勝負ではなくなってしまう。 だから、1人で考えるの。 自分よりも、強い人に勝つ方法。 「美桜さん、お願いします」 「うん」 美桜さんに、勝負を挑む。まだ勝つ方法はわかっていないけど、今日は私が後攻。 ディフェンスをしながら、美桜さんに勝つ策を練る……! (あれ…………?) やってみて、見てみて、気付くことがある。 やってみなければわからない。 たしかにそうだと思った。
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