35人が本棚に入れています
本棚に追加
「美桜さん、ありがとうございました!」
私は、美桜さんに感謝の意味を込めて、思い切り頭を下げた。
きっと、美桜さんじゃなかったら、自分の長所に気づけなかった。
長所。バスケなどのスポーツで言うなら、“武器”の方がしっくり来るかな。
私の“武器”、それはスピードだ。
これからは、早いスピードを殺さずに、シュートを打てるようにならなくちゃ。
「うんにゃ。これは別に天の実力だし、私なんにもしてないんだけどなー。負けただけ」
「いえ!美桜さんと一対一したから見つかったものがありました。美桜さんのおかげです!」
私が満面の笑みで言うと、美桜さんは照れてるのか顔を若干赤くしながら、薄く笑っていた。
そして、私に向かって飛び付いてきた。
「あー、もう!天はかわいーなぁ!」
「ちょっ、美桜さん!やめ、やめてくださいよ!」
私に飛び付いてきた美桜さんは、私の頭をがしがしとぐしゃぐしゃにするように撫でてきた。
まぁ、今はもちろん練習中。
「そこの二人!練習中に遊ぶんじゃない!」
当然だけどやっぱり怒られた。
最初のコメントを投稿しよう!