絶望の瞬間と新しい可能性

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「美桜さん、ありがとうございました!」 私は、美桜さんに感謝の意味を込めて、思い切り頭を下げた。 きっと、美桜さんじゃなかったら、自分の長所に気づけなかった。 長所。バスケなどのスポーツで言うなら、“武器”の方がしっくり来るかな。 私の“武器”、それはスピードだ。 これからは、早いスピードを殺さずに、シュートを打てるようにならなくちゃ。 「うんにゃ。これは別に天の実力だし、私なんにもしてないんだけどなー。負けただけ」 「いえ!美桜さんと一対一したから見つかったものがありました。美桜さんのおかげです!」 私が満面の笑みで言うと、美桜さんは照れてるのか顔を若干赤くしながら、薄く笑っていた。 そして、私に向かって飛び付いてきた。 「あー、もう!天はかわいーなぁ!」 「ちょっ、美桜さん!やめ、やめてくださいよ!」 私に飛び付いてきた美桜さんは、私の頭をがしがしとぐしゃぐしゃにするように撫でてきた。 まぁ、今はもちろん練習中。 「そこの二人!練習中に遊ぶんじゃない!」 当然だけどやっぱり怒られた。
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