絶望の瞬間と新しい可能性

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私が言った言葉のせいで、その子たちは鋭い瞳を一層鋭くして、私を睨んできた。 そして、口を開いた。 「なんで同い年の柏木さんにそんなこと言われなきゃいけないワケ?!」 それはもう、私に対する抗議というより、誰に対して言っているのかもわからない叫びに近かった。 「なんでって……、そんなの誰が言ったっていいでしょ?」 正論を言ったつもりだった。 でも、その子たちからしたら、私の言葉の全てが気に入らなくて、間違っているのだろう。 「柏木……、あんた気に入らないの!先輩から気に入られてるからって試合にも出て!」 この、言葉の意味は。 私が、美桜さんのコネを使って試合に出た、と言いたいのだろうか。 そうだとしたら、なんて。 なんて、不愉快な言葉なんだろう。
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