絶望の瞬間と新しい可能性

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「しっ、知らないわよ!!私がそんなこと知ってるわけないでしょ?!」 そうか。 今この子が私に叫んできてわかった。 この子たちは、全員が全員気が強いワケじゃないんだ。 たぶん、この子が折れればみんな、折れる。 「ふぅん。知らないくせに、先輩に気に入られたら試合出れると思ってるんだ?とんだ勘違いだね」 「なっ、事実でしょ?!」 「……バッカみたい」 「はぁ?!」 ピーピー叫んできて、ウザったい。 なんでこの子はずっと叫んでるのか、わからない。 こんな近くにいるのに叫ばないでよ。 だいたい、怒りたいのはあなたじゃない。 私なの。 何も、知らないくせに。 何もわからないくせに。 わかったように、悲劇のヒロイン面しないでよ。
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