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「?!天?!」
私の声に異変を感じ取ってくれたのか、美桜さんは急いでドアを開けた。
「天!どうかし……天!?」
私は、怪我の痛みのせいで意識が飛びそうで、目を開けているのもやっとな状態だった。
ドアを開けた美桜さんの目の前に飛び込んできたのは、今にも意識が飛んでいきそうな状態でぶっ倒れている私の姿。
「天、大丈夫?!」
「あは、は。大丈夫です、よ。美桜さん、心配しすぎ……」
これは空元気。
ホントはちっとも 大丈夫じゃない。
時間がたつにつれてどんどん痛くなってきてるし、だんだんめまいがしてきた。
「ちょっと待っててね、天。今先生と柏木さん連れてくるから!」
柏木さん……?
ああ、お母さんか。
私が一番の当事者なのに、なんでこんなにも落ち着いていられるのだろうか。
自分でも、わかんないや。
そんな悠長なことを考えているうちに、お母さんの声が聞こえてきた。
「天!!もう少し待ってね、あと少しで救急車来るから」
そう言いながら、お母さんは倒れている私を座らせてくれた。
どうしよう……、目、開けてるのが、つらい。
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