絶望の瞬間と新しい可能性

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しばらくして、私は意識を手放した。 暗闇の中で、私は1人、ふわふわと浮いていた。 身体もだけど、心も。これは、予兆なのだろうか。 考えたくない。 考えたくないから、私はすべてを塞ぎ混む。 今まであったこと全部、忘れてしまえばいい。思い出すのは、意識を取り戻したあとでも、どーにでもなる。 だから、いくら忘れても、約束だけは、消えたりなんかしません。絶対に。 目を覚ますと、視界一杯に広がるのは純白。 誰にも汚されることを知らないかのようにきれいな白。 「…………ここは?」 どうやら私はベッドで寝ていたらしいので、私は上半身だけを上げた。 上半身を起こした私は、室内をきょろきょろと見渡した。 ベッドの横にはコードが繋がれたたくさんの機械。 部屋につけられた印象深いドア。 これでわかった。 私は今、病院にいるらしい。 周りを見渡しても、私以外誰にもいない。 ということは、この部屋は個室だということだ。。
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