絶望の瞬間と新しい可能性

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「そらはなんで入院?」 それを聞かれた瞬間、ギクリとした。 自分が相手の事情を聞いたのだから、言わなくちゃならないんだけど、やっぱり言いたくない。 だって、『部員背中を押されて膝をけがして入院』なんて、言いたくないよ。 「あー、えと、膝をね、部活で怪我しちゃって」 嘘だけど、嘘じゃない。 バスケのやりすぎとかで怪我したわけじゃないけど、部活で怪我はしたから。 「部活?」 「うん。私バスケ部なんだ」 「マジ?!オレもバスケ部なんだよ!オレたち共通点多いなー」 「そうだね」 私は翼の言葉に微笑みながら言う。 笑顔、ひきつってないかな。 翼に悪いとは思うけど、ちょっと嘘ついちゃってるから、ちゃんと笑えるてるのかわかんない。
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